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らくがんの休日

らくがんの休日

下水道、その働き

知っているようで知らない下水道


下水道を流れるもの
下水道って、誰でも知っていますよね。
地下にあって、排水を流している管です。
メンテナンスのための出入り口はマンホール。どこででも見かけることができます。

そんな下水道に関して、私がアレ?と思ったのは数年前、たまたま話がマンホールに及んだ時のことでした。
「それって、『おすい』の?『うすい』の?」
・・・はい?
『汚水』はわかります。でも『うすい』って何?

私が初めて出会った単語『うすい』、それは『雨水』でした。
なんだ、『あまみず』か。何でそんな専門用語使うかな、と思ったことはさておき。
下水とは家庭や工場・飲食店などから出た汚水と、町に降った雨水の両方を言うんですって。
考えてみれば当たり前ですよね。
降った雨がその場で蒸発するわけないんですから、どこかに流れていってるんですよ。
それが下水道。
当たり前のことですが、『日常生活の当たり前』で、その言葉もよく聞いて知っているけれど
きちんと突き詰めて考えた事がないことって意外と多くないですか?
わ、私だけかな?(^^;)

それはともかく、下水道には合流式と分流式があります。
合流式は汚水と雨水を1つの管で集めて流す方式、分流式は別々の管で集めてそれぞれ流す方式です。
合流式は雨水が洗い流した道路上の汚濁物質も処理できるし、1本の管で排水処理と浸水対策を同時にできるから
施工が簡単なんだそうです。
ところがここに大きな弱点が。
通常、下水道を流れる汚水は下水処理場で浄化され、更に消毒されて、法で定められた水質基準を満たした状態で
川や海に放流されます。
でも下水処理場だって、処理できる量には限界があります。
大雨が降って、限界以上の下水が流れ込んできたらどうするのか?
処理できない下水は、未処理のまま放流してしまうんですって。
ぎょえ~!
「でも、そうそう未処理はないんでしょ?」
「いや、ちょっとした雨でも結構限界越えちゃうみたいだよ」
更にぎょえ~~っ!!
新しく下水道を施工するところでは、水質保全の役割が重視され、分流式にすることが多いそうですが、
早くから下水道を始めている大都市は合流式が多いそうです。
う・・・が、がんばってください、下水道管と下水処理場さん。


下水道に油を流してはいけないのは
そんなこんなで頑張っている下水道ですから、負担はなるべく減らしてあげるのがよいでしょう。
揚げ物をした油などを排水口に流してはいけない、とよく聞きますよね。
それは何でかと言うと、油が下水管の中で洗剤と一緒になると、固まって管をふさいでしまうからなんですね。
合流式下水道の場合、詰まって細くなった管に、大雨が降って大量の水が一気に流れ込むと、
くっついていた油の固まりが剥がれ、そのまま海や川に流れ出すこともあるそうです。
写真で見たけど、すごいですよ。5cmくらいの白い固まりがゴロゴロと。
環境にも人にも、もう全然優しくない感じ。
見たい方はこちらへどうぞ。
東京都下水道局の公式HPで、下水道について楽しく知ることができますよ♪
『下水道管・ポンプ所編』の途中の『油のこびりついた管』で、『しらべる』をクリックすると見られます。


下水処理場でも大活躍の微生物!
下水処理場ではまず砂や大きなゴミを取り除き、それから水に溶けていない小さな汚れをゆっくりと沈殿させます。
その後、水に溶け込んだ汚れをきれいにするんですが、この時も活躍しているのは微生物!
有機物を無機物に変える彼らの力が水を浄化しているわけです。
(微生物の働きについては、『感動の食物連鎖~微生物ってスゴい!!』を見てください)
でも、微生物がいくら頑張っても、汚れ(微生物的にはごはん)が多すぎたら処理しきれない(食べきれない)わけです。
そうなると、下水処理場の処理機能の低下につながってしまうんですね。

だから、油だけじゃなく、排水口に流してはいけないものは他にも結構あるんです。
たとえば、
水に溶けないもの…ティッシュ、紙おむつ、生理用品、ガム、タバコの吸い殻
  下水管が詰まったり、ポンプ場の故障につながる。

油…揚げ物の廃油、マヨネーズ、シーチキンの油など
  下水管が詰まる。
  微生物が食べにくいので、処理機能が低下する。

野菜くず、ゴミ
  下水管が詰まる。
  微生物が食べきれなくて、処理機能が低下する。

農薬、殺虫剤などの薬品
  微生物が死んでしまう。

ガソリン、シンナー、石油、アルコールなど揮発性の高い危険物
  爆発の危険あり。

最近ディスポーザー(生ゴミ粉砕器)が流行しているようですが、下水処理場からするとお困りグッズのようです。
ちゃんと浄化設備の備わっているところはいいんですが、
排水口にだけディスポーザーが付いていて、後は下水に流しちゃえ的なものは、川にゴミを捨てているのと同じ。
微生物だって、おなかいっぱい、もう勘弁してって感じかもしれません。
環境はひとりひとりが守るもの。
自然にも微生物にも優しくしてあげましょうよ。
結局はそれが、めぐりめぐって自分に優しくしてあげていることになるんじゃないかと思います。


下水処理場からリサイクル
さて、微生物のがんばりからその後、きれいになった水は更に消毒されて放流されたり、中水として使われたりします。
中水(ちゅうすい)、ご存知ですか?
上水(水道水ですね)と下水の中間にあたるものです。
トイレの水とか公園の噴水とか、水道水ほど水質にこだわらなくていいものに使う水です。

また、水に溶けずに沈殿させた汚れを『汚泥』といいます。
汚泥は濃縮して、微生物の力で有機物を分解した後、脱水して、焼却して体積を減らします。
うーん、あっちでもこっちでも大活躍ですね、微生物!
何か嬉しい私はちょっとおバカかも。(^^;)v
まあ、気を取り直して。
焼却した灰はレンガやセメントとして再利用したり、埋立てたりします。

下水道の働き、こんな感じでした。
ちょっとは感動できました?



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